物流センターの業務と流れ

「物流センター」の「業務の流れ」と「入荷・保管・ピッキング・流通加工・検品・包装」の「業務」(仕事)の詳細について説明します。
目次
物流センターの業務の流れ
「物流センター」の「業務」は以下のような「流れ」になります。
NO | 作業 | 物流の機能 | 作業の詳細 |
---|---|---|---|
工場/取引先/ 業者 |
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↓ | |||
(1) | 入荷 | 荷役 | 「入荷伝票」でチェックします。 |
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(2) | 入荷仕分け | 荷役 | 「入荷」した商品を「検品」して「仕分け」します。 |
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(3) | 保管 | 保管 | 指定された場所の棚に「保管」します。 |
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(4) | ピッキング(集品) | 荷役 | 「受注情報」や「出荷情報」や「出庫指示」によって「保管場所」から取り出し「品揃え」をします。 |
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(5) | 流通加工 | 流通加工 | 「加工」や「値札付け」などをおこないます。 |
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(6) | 検品 | 荷役 | 「ピッキング」が「受注情報」、「出荷情報」どおりの「商品」や「品揃え」になっているかチェックします。 |
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(7) | 包装、梱包 | 包装 | 「包装」して「梱包」します。 |
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(8) | 出荷仕分け | 荷役 | 「出荷」のために商品を「仕分け」します。 |
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(9) | 出荷 | 荷役 | 商品を「出荷」します。 「出荷・納品伝票」とともに「配送トラック」に積み込んで「出荷」します。 |
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(10) | 配送 | 輸送 | 「輸送」します。 |
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納品 | 「納品先」に「納品」します。 |
重要な業務(仕事)について説明します。
入荷
「入荷」について説明します。
「入荷」は、
「仕入先」、「取引先」、「自社工場」から届いた商品を「受け入れる」ことです。
通常は以下のような流れになります。
それぞれの注意点です。
入荷
「納品書」と同じ「品番」、「数量」を「現物」と確認します。全部、または、一部を開けて確認します。
検品
商品に「損傷」や「品質」に異常がないか確認します。棚に入庫
指定した「棚」に格納します。事前に、仕入先、取引先、自社工場などから「入荷予定データ」が送られてきます。
「ASN(Advanced Shipping Notice:事前出荷情報)」データと呼ばれています。
入荷される商品の「内容」や「数量」などです。
どのくらいの量の商品がくるかわかりますので、事前に、「作業者」や「機械」の手配ができます。
システム化された「物流センター」では、事前に「入荷予定データ」を「ハンディターミナル」などに取り込むことができるようです。
入荷された商品の「物流ラベル」や「バーコード」などを読み込むことで、データと商品を把握し、素早くかつ正確に「検品」をおこなうことが出来るそうです。
また、最近は、「製造日」、「賞味期限」などの「ロット管理」や商品の「トレーサビリティ(履歴管理)」のチェックなども「入荷」として行なえるようになっているものもあるそうです。
保管
「保管」について説明します。
「保管」は、
「物流センター」に入荷した商品を指定した、「棚」に格納することです。
「保管」は、商品を一定期間、貯えて生産と消費の「時間的なギャップ」を埋める活動です。
でも、「保管」は、ただ、商品を保管するだけではありません。
「倉庫」は、商品を一定期間「保管」することに重点を置いています。
「貯蔵」です。
でも、「物流センター」の「保管」は、「貯蔵」から、「出荷のための準備」に重点を置いています。
商品の「保管」だけではなく、顧客に必要な「量」を必要な「タイミング」で「出荷」することが重要になっています。
「物流センター」の「保管」は、お客の「必要な商品」を「必要な時」に「必要な数量」を供給することです。
「ピッキング」を考えて「保管」することが重要です。
また、「キャッシュフロー」や「品切れ」をおこさないように「在庫管理」をおこなう必要もあります。
保管の時の注意点
「保管」するときに注意点です。以下のようなことがあります。
- 「スペース」を有効活用します。
- 適切な「在庫管理」をおこないます。
「余分な商品」(余剰在庫)を持たないようにします。
また、「品切れ」をおこさないようにします。
- 作業しやすいように、また見てすぐわかるように配置することが大切です。
最近では、コンピュータで管理している場合も多くなっています。
「ロケーション管理」が重要です。
- 商品が安全かつ品質劣化しないように適正な状態を保つこと
「湿度」、「温度管理」、「盗難」などに注意する必要があります。
- 必要に応じて、すばやく「出荷」できる態勢を整えることが大切です。
ロケーション管理
「保管」するときの重要な「ロケーション管理」について説明します。商品を「保管」するには、保管する「場所」が重要になります。
「棚番号」です。
「ロケーション」などと呼んでいます。
「保管」は、「ロケーション管理」が非常に重要になります。
「ロケーション管理」をうまくおこなうことにより、「棚入れ」や「ピッキング」のときに、棚入れなどの「作業時間」や「移動時間」を少なくすることが出来ます。
「ピッキング」とは、「出荷伝票」などに基づいて「棚」から、商品を取り出す作業のことです。
「作業効率」が上がります。
商品を保管する「棚」などに、「棚番号」(ロケーション番号)をつけて「商品名」と「棚番号」を関連付けて、コンピュータで管理しています。
ロケーション管理の方法
「保管」している「商品」と「棚番号」を関連付ける方法に次の2つがあります。- 固定ロケーション
- フリーロケーション
それぞれについて説明します。
固定ロケーションのメリット、デメリット
あらかじめ、「商品」ごとに「棚番号」が決まっています。「メリット」と「デメリット」です。
メリット/デメリット | 内容 |
---|---|
メリット | 保管場所が決まっているので商品が探しやすいです。 作業者がわかりやすいです。 |
在庫がないときは一目でわかります。 | |
デメリット | 商品ごとに棚が必要になります。 無駄なスペースが生じます。 保管効率が悪くなります。 |
フリーロケーションのメリット、デメリット
「商品」と「棚番号」は固定していません。空いているエリアやラックのどこにでも保管できます。
空いた棚に順番に商品を保管して「コンピュータ」で管理します。
「メリット」と「デメリット」です。
メリット/デメリット | 内容 |
---|---|
メリット | スペース効率はよいです。 |
先入れ先出ができます。 | |
対応がフレキシブルにできます。 | |
デメリット | 場所が決まっていないので、1つの商品でも、保管場所が複数になります。 作業自体が非効率になる場合があります。 |
保管機器の種類
以下のような「保管機器」があります。- パレット
この上に、商品を置いて保管します。
- ラック
棚です。
- 自動倉庫
自動で、保管と取り出しができます。
- コンテナ
箱型の入れ物です。
そのまま、飛行機や鉄道や船で運びます。
ピッキング
「ピッキング」について説明します。
「ピッキング」とは、
「顧客」からの「受注情報」や「出荷情報」、「出荷伝票」などに基づいて、「保管場所」から、商品を「取り出し」、「品揃え」をすることです。
「全作業時間」の「50%」近くを占めているそうです。
ピッキングの方法
「ピッキング」は、次の2つのやり方があります。- 摘み取り方式
- 種まき方式
それぞれについて説明します。
摘み取り方式
「受注」などの「注文先別」に、複数の必要な「商品」を「順番」に取り出して集めていくやり方です。商品の「品種数」が「注文数」より多い場合に適しています。
種まき方式
複数の顧客の「受注」を「商品」ごとに、まとめて取り出したあと、「受注」などの「注文先別」に仕分けます。商品の「品種数」が「注文数」より少ない場合に適しています。
「種まき方式」は、追加で、「仕分け」が必要になります。
以下の問題が出てきます。
- 「仕分け」の「スペース」が余分に必要になります。
- 「仕分け」が終わらないと「ピッキング」が終わりません。
この後、「検品」があります。
「検品」は、「ピッキング」が正しく行なわれたのかをチェックします。
流通加工
「流通加工」について説明します。
まず、「流通加工」について説明します。
「流通加工」とは、「物流センター」で「商品」に「加工」を施すことです。
最近は、
「物流センター」では、商品を、そのまま「出荷」するよりも「流通加工」することが増えています。
「小売店」で、やっていた作業を、「物流センター」でやった方が、「効率的」に作業することが出来る場合があります。
「小売店」は、売ることに専念できます。
「流通加工」することで、商品の「差別化」をすることができます。
また、「付加価値」を付けることが出来ます。
結果的に、通常の価格より高く販売することが出来ます。
「流通加工」は、「顧客」にとって、目に見える「サービス」になります。
流通加工の目的
流通加工の目的としては、以下があります。- 顧客の「作業負担」を減らします。
- 商品の「付加価値」を高めます。
などです。
流通加工の例
流通加工の例としては、- 検針
- タグ付け
- ハンガー掛け
- 値札付け作業
- セット組み
中元や歳暮のギフト商品の箱詰めや熨斗の貼り付け
- プリパッケージ
惣菜や魚などの解体、小分け、袋詰め作業
- ラベル貼り
- 袋詰め
流通加工を物流センターでおこなうメリット
「流通加工」を「物流センター」でおこなう「メリット」は以下があります。- 生産性があがり、コストが下がる
- リードタイムの短縮
次は、「検品」について説明します。
検品
「検品」とは、商品の「品質」や「数量」をチェックすることです。
「検品」は、「荷役」の中に含まれます。
「検品」には、次のの2つがあります。
入荷検品
「仕入先」や「取引先」、「自社工場」から「入荷」した商品の「品名」や「数量」を確認、検査します。
出荷検品
「ピッキング」した商品が「受注」、「注文」、「出荷情報」と合っているか確認、検査します。
次は、「包装」について説明します。
包装
「包装」は、商品の「価値」や「品質」を守るために「包装」することです。
また、「持ち運び」や「輸送」を容易にするためでもあります。
包装の目的
「包装・梱包」には以下の目的があります。- 商品を保護します。
落下、破損などです。
- 商品の品質を保ちます。
温度・湿度管理、腐食、病原菌などです。
- 荷扱いに便利な単位にまとめます。
台車への積み込みが早く楽になります。
- 商品の区分を表示します。
商品を簡単に区別することが出来ます。
- 作業の効率化を図ります。
台車への積み込みが早く楽になります。
包装の種類
「包装」には、以下の3つの種類があります。
- 外装
「箱」、「袋」などの、一番大きい単位の包装です。
この単位で輸送します。
商品を汚れ、破損から守ります。
- 内装
「外装」と「個装」の中間です。
個別の商品をまとめて、包装しているものがあります。
コンビニや、スーパーで販売されている単位です。
水、湿気、光、熱などから商品を守ります。
また、販売促進するために、購買意欲を上げる包装のパッケージにすることも重要です。
- 個装
「商品個々」の包装です。
商品の品質や価値を守るためです。
水や湿気、光、熱などから商品を守ります。
また、食べやすいサイズに袋詰めされています。
●「物流センター」の関連ページです。
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